季節の一枚

特別編


選奨土木遺産 菅橋
選奨土木遺産 菅橋 《平成30年11月中旬》
諸般の事情により今月も“特別編”ながらも、今回は未公開の既撮影作品を新規にご紹介。
撮影は一年前、場所は木曾谷。 土木学会が毎年新たな認定を増やし続けている選奨土木遺産の一つ、木曽川に架かる菅橋です。
もう何年か前、この方面にも関心があり、色々観察していて気にはなっていた、鉄道と絡められそうな比較的近隣の建造物。 数年前に初めて訪れた時には、荒れるがままの、皮肉にも良い雰囲気の状態でしたが、地域の観光資源として町の予算が使われたのでしょう。 今回再訪してみると、観光案内解説看板の設置と、欄干内側に鋼鉄製の、些か不似合いな安全柵が設置。 加えて、部分的に外装も修復された姿に変わっていました。
架橋の経緯詳細は公式ページに譲るとして、此の橋、現在の国道すぐ脇にありながら、角度の関係で普通乗用車運転中は直接目にし辛く、頻繁に往来する人々の間ですら、其の存在を知る人はかなり少数ではないかと感じています。 其処を逆手に取って、絵にならない“最新”道路橋を隠しつつ、更に背後の中央本線との組み合わせで絵に出来ないかと思い描いていた事もあり、遠征の帰り道、伊那谷から至極便利になった権兵衛峠を越え馳せ参じました。
現実の撮影はそう甘くは無く、棘の有る雑草茂る急斜面を、機材を手分けして慎重に何度も昇り降り、水面に入り込んでの試行錯誤も、当時の手持ちレンズの画角内でもそれ程間違いは無かったとは思われるのだけれど、結果的には妥協アングルの産物と相成ってしまいました。 理想的にはもう少し、流れの中央へと歩みたいのですが、川床は急に深みを増し、水流も危険な勢いで断念。 膝丈程の流れの中に三脚設置。
絵に出来そうなのは手前の名古屋方面行きのみ。 通る汽車は一時間に一・二本。 正確な通過時刻は知る由も無く、そもそもが、知っていようが頻繁に遅れる事もありで、集中力を維持するのは結構大変。 反面、実際のシャッターチャンスは本当にほんの一瞬。 あっ、来た!と連写をしても、やっぱり使えるコマは一枚だけ。
渋目の色調の仕上がりは侘しさが出て悪くは無いのですが、やっぱりもう一つ迫力不足の感は否めません・・・

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